卒業式を挙行しました

 3月1日(月)、第42回卒業式を挙行しました。
 コロナ禍の中ではありましたが、ソーシャルディスタンスを保ちながら保護者・在校生出席の中、市川雄次にかほ市長ほか4名のご来賓をお迎えして式を行いました。

本校では校長から証書を卒業生全員に授与します
式辞・祝辞などはアクリル板を設置して行いました

校長式辞

 春雪に光り輝く純白の鳥海山は、今なお続くコロナ禍のなかで、私たちの不安な心に、希望のあかりを灯し、励ましてくれます。
 春の息吹に導かれて、明日への勇気が、みなぎってきます。  
 人間には、自然界の中で唯一「喜怒哀楽」という感情が与えられています。それ故に、時には、辛く苦しい体験から涙を流すこともあります。
 しかし、今日ここに、歓喜の瞬間を迎えることができ、「本当に良かった、ありがとう」と、すべての皆様に御礼申し上げます。
 本日、第四十二回秋田県立仁賀保高等学校卒業証書授与式の挙行にあたり、御臨席を賜りました保護者の皆様、御来賓の皆様に心から感謝を申し上げます。 ただいま卒業証書を手にされた七十五名の皆さん、御卒業おめでとうございます。
 皆さんとは、平成三十一年四月から二年間、「師友もろとも手を取りて」歩んできました。
 にかほ市と画期的な連携協定を結び、本格的に活動を開始した令和元年度は、秋田県教育委員会のバックアップもいただきながら、本校でしか体験できない特別な教育の推進を、中堅学年として牽引してくれました。
 開学以来続く本校の伝統行事、全校鳥海登山では、皆さんに励まされ、私も山頂で達成感を味わうことができました。改めて、大自然の中で、人間は生かされていることに気づき、大きな感動を共有することができました。
 仁高祭は、史上初となる「にかほっと」での一般公開を実現して、地元の方から大変喜ばれました。
 修学旅行の際は、現地から送られてくる皆さんの笑顔に勇気づけられ、思わず庄内空港まで、出迎えに行ったことを思い出します。
 解団式で、将来に向けた進路決定に対する心構えと、為すべきことを先生方から教わり、直後から見違えるほど意欲的に頑張る皆さんをみて、私には、新たな決意が生まれました。
 それは、皆さんのためにも、仁賀保高校を選んで入学してくれた若者に、他校では決して学べない、スペシャルな経験を提供することでした。
 高校時代は、義務教育と異なり、自ら考え、行動する機会が多くなります。
 「誰かが言っているから」とか、「みんながやっているから」と言うような、他人の行動を鵜呑みにして、アクションを起こすことは、校訓にある「自立」ではありません。
 私は、自分の心で「よく考え」すなわち、「コンシダー」して、「アクト」すなわち、行動する「アイコンタクト」が大切だと確信しております。
 仁賀保高校生は、常に他者を尊重し、行動の「根拠」を明確にして、信念を忘れずに、自己表現してほしいと願っています。
 「自分の周囲にいる人を笑顔にしたい、幸せにしたい」という思いが、地域貢献に繋がってゆくでしょう。
 現在コロナ禍の中で、新しい生活様式が提唱され、これまでの価値基準が大きく転換しつつあります。
 不安や困り感の渦巻く雰囲気の中で、私たちが「アイコンタクト」を通して提言することは、「トライアル&エラー」を積極的に推進することです。
 令和二年の本日、保護者の皆様の心情をいくらかでも和らげようと、制限付きではありましたが、ユーチューブを使った卒業式の配信を行い、ここからメディア科の力を活用した、本校の挑戦が始まりました。
 これまでに経験したことのない、全国一斉休校の中、様々な試みを行ったことで、前例がなくても、「トライ」する大切さを再認識しましたし、「エラー」は、挑戦しなければ発生しないのですから、「失敗」ではなく「栄光」であり「偉い」ことなのだと言い聞かせました。
 おかげさまで、ホームページで、本校のコロナ対策、授業改善や学校行事での工夫等を発信し、教職員が一丸となって「新しい『学校』生活様式」に取り組んだ年となりました。
 令和二年十二月十六日から三日間行われた「仁高祭2020」もホームページにアップされましたが、御覧いただけたでしょうか。
 コロナ対策はもちろんですが、文化的、体育的行事のコンパクト化や、生徒一人ひとりが主役になって参加できるイベントを取り入れた心に残る三日間でした。
 私が特に嬉しかったのは、ホームページ上に、生徒の多様な表情と教職員とのふれ合いや真剣勝負の場面が、数多く掲載されたことです。文化部の活動の様子や作品も紹介されていました。
 校歌三番「師友もろとも手を取りて」そのものです。校長として、これほど喜ばしいことはありません。生徒の皆さん、教職員の皆さん、「教育の原点」を見せていただき、ありがとうございました。
 ここで、学び舎を巣立っていく皆さんに、エールを贈ります。
これからの時代は、グローバル化やAIの登場による合理化、効率化の中で、同時に多様性の尊重という、難しい選択を迫る場面を求めてきます。
 その時、誰かに判断を任せることなく、自分の意思で、他者を尊重し、周囲の人を笑顔にできる方法を、創造してください。0か1かを選択のではなく、0と1の間にある無数の納得解を、仁賀保高校がめざす「協働」の力で導いて欲しいと思います。
 卒業生の皆さんは、四月から始まる新生活で、在校生の皆さんは、令和三年度の仁賀保高校の教育活動で探究してください。
 私がお勧めする方法は、身近にあって、ぼんやりとしか認知していなかった人々や教育資源をよく観察し、見えていなかった特性や長所を発見することです。
 グローバル化の世界だからこそ、基本は足元を見直すことだと、私は考えます。
 卒業生の皆さんにお願いがあります。皆さんが、高校生活を送ることができたのは、他者の支えの賜物です。「おかげさま」「ありがたい」「おもてなし」など、普段何気なく使っている言葉の意味と力を、今一度、じっくり考えてみましょう。
 誰の「おかげさま」で、今日の良き日を迎えることができたのでしょうか。まぶたの裏に浮かぶ人物と風景を、大切にしてください。
 保護者の皆様に申し上げます。壇上で凜々しく大きく輝いているお子様を、しっかりと目に焼き付けていただけましたでしょうか。
 お子様の誕生から今日まで、様々な御苦労が、走馬燈のようによみがえってくる心境をお察しいたします。  
 本校を信頼して、大切なお子様を預けていただいたことは、仁賀保高校の躍進に、大きな追い風となります。
 今後ともさらなる御理解と御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 ご臨席を賜りました皆様、本校は、「地域の課題に積極的に取り組む人間の育成」を目指し、活動の企画から実践まで、皆様と連携を深め、本校生徒のもつ若者らしい発想と行動力を、地域の創生に活かしたいと考えております。巣立つ若者と活動を続ける生徒に、何卒たゆまぬ御厚情を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
 終わりに、今日の良き日に、心の故郷、秀麗鳥海のはるか彼方に広がる、希望に満ちた大空に飛び立つ若人の前途に、幸多かれと祈り、「母校の誉れを継ぎゆかむ」贐(はなむけ)の言葉を伝え、式辞と致します。
 仁賀保高校 第四二期 卒業生
「世の光なる人たらむ」
 令和三年三月一日
     秋田県立仁賀保高等学校
    校長 小 園   敦 

にかほ市長祝辞

市長祝辞

 それでは本日の卒業式にあたり、私からお祝いの言葉を述べさせていただきたいと思います。
 まずは、卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。社会人となる方、進学される方、それぞれが、さらなる飛躍を目指して一生懸命頑張ってもらいたいと思います。また、今日までの成長に対し、ご尽力、ご指導いただきました小園校長先生を始めとする教職員の皆様方に、改めて感謝を申し上げたいと思います。また、地域の皆様方に対しましても、陰日向になり、生徒の皆さんの成長にお力添えをいただきました。大変ありがとうございました。そして、保護者の皆様方、本日のご子息のご卒業、心よりお祝いを申し上げたいと思います。
 さて、昨年から新型コロナウィルスによるパンデミックが世界を覆い、誰も経験したことのない困難に見舞われ、いまだ第3の感染拡大の波の中にあります。そうした大きな環境の変化の中でも、皆さんは、いち早くオンラインを活用するなど、特に卒業される3年生の皆さんは、逆境にも負けず、在校生の模範となって、仁賀保高校を牽引してくれました。皆さんには心から敬意を表したいと思います。
 今日のこの日までに、社会活動や地域活動をがんばられた皆さんに、卒業にあたり餞けの言葉をお贈りしたいと思います。これは、昨年度の卒業生にも贈らせていただいたのと同じではありますが、あえて同じ言葉を贈らせて頂きます。
 アメリカのケントキースによる言葉に、逆説の10箇条というのがあります。『それでもなお』で表される言葉です。この逆説の10箇条を皆さんに贈りたいと思います。10箇条ですので多少長くなりますがお耳をお貸しください。

1、人は不合理で、分からず屋で、わがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。
2、何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと、人に責められるだろう。それでもなお、良いことをしなさい。
3、成功すれば、嘘の友達と、本物の敵を得るだろう。それでもなお、成功しなさい。
4、今日の善行は、明日になれば忘れられてしまうだろう。それでもなお、良いことをしなさい。
5、正直で素直なあり方は、あなたを無防備にするだろう。それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。
6、最大の考えを持った最も大きな人は、最小の心を持った最も小さな人によって撃ち落とされるかもしれない。それでもなお、大きな考えを持ちなさい。
7、人は弱者を贔屓にはするが、勝者の後にしかついていかない。それでもなお、弱者のために戦いなさい。
8、何年もかけて築いたものが、一夜にして崩れるかもしれない。それでもなお、築きあげなさい。
9、人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。それでもなお、人を助けなさい。
10、世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。

 私がこの逆説の10箇条を皆さんにお伝えするのは、かの有名なマザーテレサが、インドのコルカタに自らが建てた孤児の家の壁に、この逆説の10箇条を掲げているからです。
 そこは孤児の家です。貧困と苦悩に満ち溢れた子供たちで溢れかえっている場所です。生きていくことで精一杯なその子供たちに対し、マザーテレサは、人のために尽くす心を伝えようとしていたのです。
 人は自分の欲のためだけに行動してはならないのだと思います。決して大げさなことを皆さんに求めるわけではありません。自分の周りの小さなことに目を配り、気を配ることが出来るような人になってもらいたいのです。一人一人がそうすることによって、豊かな社会が作られていくのだと思います。そして、人は誰かのために尽くすことで得られる喜びによって、人は成長するのだと私は信じています。
 これから先の皆さんには、大きな喜びと幸せが待っているでしょう。それと同じくらいの困難が待ち受けていることも確かです。その時に皆さんがどのような立ち振る舞いをするかによって、皆さんの人としての成長の幅が決まってくるのだと私は思います。仁賀保高校の3年間で、とてもよく頑張った皆さんにだからこそ、私はこの言葉、あえて贈らせていただきました。皆さんの健闘をお祈りします。
 結びに、限りない可能性を秘めた、卒業生の皆さんの輝かしい未来と、仁賀保高等学校の益々のご発展を、心から、ご祈念申し上げ、お祝いの言葉と致します。
本日は、誠に、おめでとうございます。

 令和3年3月1日
 にかほ市長 市川雄次

在校生送辞

在校生送辞

今年の冬は前年の暖冬とはうって変わって、寒さ厳しい冬となりました。しかし、その冬を乗り越え、草木もようやく長い眠りから覚め、生命の息吹が感じられる季節を迎えました。
 このような佳き日に、卒業生の皆様が晴れてご卒業を迎えられましたことを、在校生一同心からお祝い申し上げます。
 希望を胸に入学されてから三年、みなさんはこの三年間をどのように振り返っていらっしゃるのでしょうか。私たち在校生が式に参加し、みなさんをお見送りできることも当たり前ではなくなったコロナ禍の今、こうしてみなさんの立派な姿を拝見していると、先輩方とともに過ごした思い出が胸に蘇ってきます。
 4月、突然の緊急事態宣言、そして、休校からのスタート。ままならない3年生の始まりに、みなさん、不安を感じていたと思います。
 進路活動の急な日程変更と、体育祭や全校鳥海登山を始めとする行事の中止。なぜ、と思わざるをえない出来事が、次々と起こった年でした。
 しかしそんな不安な状態でも先輩方は生徒会や部活動で先頭に立ち私たちを引っ張ってくれました。そんな先輩方の姿を見て、普段は学べない貴重なことを学ぶことができました。
 余りの暑さに数日午前中で授業が打ち切られるなど、猛暑の続いた夏。そのもだえるような暑さの中、毎日遅くまで図書館や教室で必死に進路の実現に向けて書類作成、面接練習に励む姿がありました。そのひたむきに努力をする姿を拝見し、進路希望を実現させることの厳しさや、どんな苦難の中でも、夢を叶えようとする強い意志を感じました。
 このような逆境にもかかわらず、自分の夢に向かって着々と努力を積み重ね、内定・合格を手にされたみなさんは、とても嬉しそうで、また誇らしげでした。
 私が一番印象に残っているのは、秋に予定されていた文化祭の中止を取り戻すかのような、12月の体育的行事と文化的行事を合体した仁高祭です。体育的行事では、クラス一丸となり優勝を目指すその姿勢に、団結とはこうあるべきだと教わりました。
 今、みなさんが新たな人生への出発の時を迎えているのだと思うと、嬉しくもあり、別れの寂しさを感じています。
 みなさんはこれまで、たくさんの選択をしてきました。迷いながらも最善を尽くそうと努力をしたこと、迷惑をかけまいと諦めてしまったこと、みなさんの高校生活のすべてが悔いのないものであった訳ではないでしょう。しかし、この後悔さえも自分の経験とし将来に役に立つことと思います。それぞれの道を進む途中、乗り越えるのに容易ではない壁にぶつかり 迷い、嫌になることもあるでしょう、その時こそ、この仁賀保高校で仲間と過ごした日々の思い出が、みなさん自身を支えてくれることと思います。長いようで短かったこの3年間、巡り合ったたくさんの人たちとの絆を心の支えとし、みなさんが思い描いた未来を現実のものにしていってください。
 私たち在校生も、校訓である「自立・克己・友愛」の精神のもと、先輩方が築き上げてきた伝統を受け継ぎ、さらに発展させる覚悟で努力していきます。先輩方も、この母校を忘れることなく、温かい目で見守っていただき、また、ご支援くださいますよう、お願い申し上げます。
 最後に、卒業生のみなさんのますますのご活躍とご健勝を心からお祈り申し上げ、在校生代表の送辞といたします。

 令和三年三月一日
 在校生代表 鎌田蓮斗

卒業生答辞

 肌を刺すような冷たい外気がやわらぎ、吹く風にも春の訪れを感じるようになりました。この良き日に私たちは無事卒業式を迎えることができました。この状況の中、このような素晴らしい式典を挙行していただけたのは、校長先生をはじめ、日々励ましをくださった先生方、ご来賓の方々、保護者の皆さま、そして在校生の皆さんのおかげです。卒業生一同心より感謝申し上げます。
 思い起こせば三年前、私たちは真新しい制服に身を包み、これから始まる新しい未来への大きな期待と、それと同じくらい大きな不安を抱いて学校の門をくぐりました。まだ名も知らぬ仲間と共に、右も左もわからぬ状態の中行われた運動会から始まり、鳥海登山、球技大会、文化祭など、多くの行事を共に経験していくうちにクラスに団結力が生まれてきました。
 そして一年が過ぎ二年生になると学校生活にも慣れ、後輩もできました。部活の方にも本腰を入れ始め、忙しくも充実した日々を過ごしました。その中でも京都、大阪、奈良に赴いた修学旅行は今でも記憶に新しいです。秋田ではなかなか見ることができない歴史的建造物や伝統的町並みは非常に見ごたえがありました。また、友人と清水寺付近で食べたわらび餅の味は忘れられません。
 修学旅行を終えると、今度は各々の進路達成のための準備に取り掛かりはじめました。進路先を決め情報を集めたり実際に赴いたりしているうちに、だんだんと受験生としての自覚を持つようになりました。人生を左右する大きな関門ということもあって、それぞれがそれぞれのやるべきことを考え、取り組むことができたと思います。
 そして三年生となる直前、世界中で新型コロナウイルスが蔓延し、一か月以上休校することになりました。これから本格的に進路に向けた対策をしなければいけないという時期の休校はとても痛かったです。また、それだけではなくコロナの影響は休校が明けた後も続きました。高校生活で最後となるはずだった学校行事は次々となくなり、就職試験も例年より遅い時期に実施することになりました。進学に関しても、県外への外出がしにくくなり、オープンキャンパスがオンライン形式になったりしました。
 この一年はコロナによって振り回されっぱなしでしたが、十二月には感染対策も考慮し、文化的・体育的行事を行うことができました。例年行っている行事の要素を組み込んで、今までにはない形で行えました。この三日間はそれぞれにそれぞれのドラマが生まれ、良い思い出づくりができたのではないかと思います。
 進路実現に関しては、夏から秋にかけてがピークでした。各々の進路実現に向け、志望理由書や履歴書の作成、面接練習をしたり過去問を解いたりと、全員が互いに助け合いながら真剣に取り組みました。この三年間で成長し、身に着けてきたことを糧として試験に臨みました。苦しいこと、大変だったこともありましたが、自分自身を奮い立たせ、友人と支え合い、乗り越えることができました。
 私たちがこのように成長できたのは、先生方のご指導があったからこそです。私たち一人ひとりに合わせてアドバイスをくださったり、励ましの言葉をいただいたりしました。また、授業では学べないような体験もさせていただきました。そのような貴重な体験をもさせていただいたおかげで、私たちは胸を張って卒業できるほどにまで成長できたのだとおもいます。心から感謝申し上げます。
 卒業するにあたって、在校生の皆さんに伝えたいことがあります。それは自分自身としっかり向き合うことです。高校生でいられる三年間はとても短いです。その短い時間を無駄にしないためにも、自分が本当にやりたいことは何か、自分は将来どうなっていたいのかがわかっていれば何事にも全力で取り組めると思います。「何がなんでもやってやる」というような強い気持ちがあれば自ずと努力します。皆さんもそう思えるような目標を見つけて頑張ってください。仁賀保高校がさらに魅力のある学校になるよう、卒業生一同応援しています。
 そして家族の皆さん。私たちは家族に支えられてここまで来ることができました。毎日朝早くからお弁当を作ってくれたり、天候が悪い時でも送り迎えをしてくれたり、つらい時にはいつも寄り添ってくれたり、何度感謝しても感謝しきれません。今まで本当にありがとう。これからは自分の足で歩けるように頑張るのでいつものように温かい目で見守っていてください。三年間、本当にありがとうございました。
 卒業生の皆さん、三年前の日のことを覚えていますか。先生方や先輩方を困らせてばかりいましたね。でも、たくさんの人に支えられてこんなに立派に成長することができました。互いに笑い合ったり、泣いたり、喧嘩したり、いろんなことがあったけれど、皆さんと過ごしたこの三年間はかけがえのない宝物です。もう全員で集まって新たな思い出を作ることができないと思うと少し寂しい気もしますが、それぞれが決めた自分の新たな道を胸を張って歩んでいきましょう。そして、この三年間の記憶を胸に四月から始まる新たな生活や出会いを大切にしていきましょう。
 これから先、たくさんの困難や壁に当たることでしょう。でもそんな時は、仁賀保高校の校訓である「自立」「克己」「友愛」を胸に、今まで培ってきたことを活かしていきたいと思います。何があっても挫けずに、堂々と自分の道を歩んでいきます。
 最後となりましたが、この三年間でお世話になった多くの方々に改めて感謝を申し上げますと共に、仁賀保高校の更なる発展と皆さまのご健康を心からお祈りしつつ、答辞とさせていただきます。

 令和三年三月一日
 第四十二期卒業生代表 石黒 亜弥

最後の校歌斉唱